メルマガ

Hello! Reds OB「西澤 代志也さん 」

皆さんこんにちは!
浦和レッズ後援会事務局です。

今月のHello! Redsは、
浦和レッズOB 西澤代志也さんです。

西澤さんは、浦和レッズアカデミー出身で、2006年から2010年まで浦和レッズでプレーされていました。
その後はザスパ草津、栃木SC、沖縄SVでご活躍され、2021年に現役を引退されました。

今回のインタビューでは、現在のお仕事、浦和レッズに在籍時のエピソード、また引退してからのお話などをお伺いしてきました。
是非、最後までご一読ください!






◆全ての日本人に伝えたい!「農家の朝は常には早くない!!」

―――現在のお仕事を教えてください。

今は栃木県の宇都宮市で農業に携わる仕事をしています。
簡単に言うと「農家」をやっています。主にとうもろこしとお米、他にも野菜を作っています。6月の中盤に収穫が始まるので、本当にいよいよこれからです。


―――なぜ、農家になられたのですか?

話せばものすごく長くなるのですが、ぎゅっと短く話しますね(笑)。
僕が栃木SCにいた8年間でとても仲良くなった同級生が2人いました。1人はBリーガーの渡邉裕規選手(現:宇都宮ブレックス)と、元々農家をされていた「ヤスくん」です。ご縁があり、知り合うことになりました。
2015年頃の話ですが、渡邉選手と食事に行った際にヤスくんと出会い何度か顔を合わせて話していると同い年ということが分かりました。僕が去年引退する事を決めた時にもすぐに彼らに連絡をし、「何か三人でやりたいね」という話になりました。それが、結果的に農業だったのです。





―――今までイメージしていた農業と違うなと思うことはありますか?

物凄くあります。
これは、全ての日本人に言いたいのですが、農家が朝早いというイメージは1回捨てていただきたいです。会う人会う人に「農家って朝早くて大変だね~」と言われるのですが、「いや、違うんですよ。こうですよ。」と説明するのも大変なので…。
各農家さんによって育てているものや場所、気候が違うので時間帯はそれぞれ違います。僕がやっているところはそんなに早くないんです。早くても7時集合とかなので。ちなみに明日は8時です。恐らく収穫の時期になると早くなるとは思いますが…。


―――1日の流れを教えてください。

今持っている敷地が10箇所~11箇所あって、その場所によって育てている物が違うので、全く同じ作業をやる日はありません。
種を撒くといっても土を起こす作業から始まり、肥料を撒いたり…と。各エリア、時期をずらして行います。1年に1度しかやらない作業もあるので、なかなか思うように作業が進まないことも多々ありました。

雨だと作業ができないのでその日はお休みになります。なので、雨予報があると「あ、休みだな…。」と気持ちが楽になりガッツボーズです。始めた頃は、「明日雨だ、ラッキー」という感じだったのですが、今は種から育てたものが胸の高さまで大きくなり、その過程を見ているので収穫したいという気持ちが湧いてきて「なるべく、雨降らないでほしいな」とも思っています。我が子を育てるという感じです。




◆レッズ在籍時は勉強と挫折の毎日だった

―――浦和レッズへの加入のきっかけを教えてください。

浦和レッズのジュニアユースのセレクションで落選した経験があり、それをバネに中学3年間地元のチームで頑張っていたところ、「レッズユースに入らないか。」というお話をいただきました。どちらかというと、“入れさせていただいた”という感じです。同期には、小池純輝(現:東京ヴェルディ)がおり、彼はきっとクラブから「是非入ってください」というレベルだったのですが、僕は「入ってもいいよ」というニュアンスでした。滑り止めみたいな…。なので、加入した時も一番下からのスタートだったことはすごく覚えています。


―――その後トップチームへ昇格されたときのエピソードを教えてください。

今は率直に当時トップチームへ上がれてよかったな…!と思っています。
高校3年に上がるタイミングでトップチームに2種登録をさせていただきました。今でこそ「2種登録」は普通ですが当時はあまり聞き馴染みのない言葉だったので、「プロサッカー選手になったから、トップチーム昇格できるものなのだ」と完全に勘違いし受験勉強も全くしていませんでした。寮に住んでいたこともあり、高校に出席を取りに行ってとんぼ帰りで浦和へ帰って来てトップチームの練習に参加するという生活をしていたので、もしもトップチームに昇格できていなかったら、露頭に迷っていたのではないか…と思います。今考えるとぞっとします。


―――2006年のレッズ黄金期に加入したと思いますが、印象に残った出来事はありますか?

当時はあまり空気が読めず「KY」と言われていました。今思うと本当に読めていなかったと思います。「KY」という言葉も流行っていた時期だったので、いつも「KY、KY」って…。自分でも空気が読めていないことを分かっていなかったので、未だにどういうことだったんだろうと謎のままです。
あとは、変な意味で尖っていたのではないかと思います。練習中は先輩だろうが同期だろうがなりふり構わず削りに行っていました。今考えると、試合に出ていない若手が試合に出ている選手に激しく、危ないプレーをしていたなんて、愚かなことでした。
でも、改めてすごいメンバーとプレーできていたと思います。日本のトップクラスの選手たちが集まるチームだったので、勉強と挫折の毎日だった記憶しかありません。レベルが高いのすら分からないくらいかけ離れていたと思います。勿論上手いのは分るのですが、なんと表現したらいいのか分からないくらい次元が違ったのでついて行けてなかったと思います。凄すぎました。





―――今でも交流のある方はいらっしゃいますか?

僕が勝手にレッズを退団した選手を集めて、毎年食事会を行っていました。
浦和をクビになった選手を集めて「みんなで傷をなぐさめ合おう会」みたいな感じでスタートしたのですが、年を重ねるごとに移籍する選手たちがそのグループに加入してくれ、一番多いときで十数人集まりました。朝まで飲んだりしていたのですが、今はコロナの影響でできていません。
LINEのグループ名は「浦和を去った男たち」です(笑)。みんな言葉では言いませんが、寂しかったのだと思います。でも言い出すのは面倒くさいし…みたいな。結局僕が言い出しっぺなので、「店決めろ、場所決めろ」と全部任されて最初は面倒くさかったのですが、みんな来てくれますし、またコロナが明けたら再開したいです。




◆「代志也が作った野菜」を食卓で!

―――今の浦和レッズに対してどのようなイメージを持たれていますか?

在籍当時と比較するとサポーターの数が減ったな、寂しいなと思いました。僕がいた2006年や2007年はリーグ戦の埼スタでも満員近く入っていましたし、その中でプレーできる選手は幸せだったと思います。今のこのようなご時世では難しいかもしれませんが、満員のスタジアムで毎週試合を行ってほしいという気持ちはあります。


―――浦和レッズを背負う選手へ何か伝えたいことはありますでしょうか?

レッズの選手へだけではないのですが…。今シーズンに1度栃木SCの試合を観に行きました。初めて自分でお金を出してチケットを買ってみたのですが、その時に少しだけですがサポーターの気持ちが理解できたような気がしたんです。
栃木SCは良い選手はどんどん他のチームへ引き抜かれてしまうのですが、自分の好きな選手や、好きな監督が引き抜かれてしまったら、いくら地元といえども移籍先のチームを応援するようになってしまうと思います。その日の試合は1-1で引き分けたのですが、選手から一生懸命さ、必死さを感じませんでした。引き分けだとしても、負けたとしても最後まで走ってほしいし、そんなプレーにサポーターは胸打たれるのだなと思い、プロの世界では「勝つこと」が大前提ですが、一生懸命プレーしている姿を僕はみたいなと思いました。


―――水内後援会理事も副会長としてご活躍されているOB会へは参加されているのですか?

水内さんにご招待いただき、OB会のグループLINEに入らせていただきました。そこで自己紹介のメッセージを送ったのですが、全シカトされて…。関わっていない大先輩もいらっしゃり、80名ほどのグループなのですが、既読の数だけどんどん増えて行くのに返信は何もないから…。軽はずみに入れてほしいなんて言うものじゃなかった…と一瞬後悔しました(笑)。本当に怖かったです。
レッズは自分自身を育ててくれたチームですし、プロサッカー選手になるきっかけのチームなので、何か恩返しができればと考えていたのですが、正直な話、力になれることはないなと思っていました。けど、野菜を育てているうちに、これをレッズの人に食べてもらったら恩返しになるのかなと思ったのです。レッズはクラブハウスもあり食堂もあるので、そこで僕が作った野菜を選手が食べてくれたらこんなに嬉しいことはないな…。と今日のここまで来る車の中でちらっと思いました(笑)。なので、いつかチャンスがあれば是非★!




―――いつも熱く浦和レッズをサポートしてくださっている浦和レッズ後援会の会員の皆さんにメッセージをお願いいたします。

現役時代、応援ありがとうございました。
今、サッカーとは全く違う仕事をしているのですが、気になって連絡をしてくださっている方もいらっしゃいます。6月、7月に自分が土起こしからスタートしてのゼロから作った野菜が収穫できる予定なので、「代志也が作った野菜か~」と食卓を囲んで一つの会話になってくれればいいなと思っています。僕たちが作った野菜を食べていただける機会もありますので、もし良かったら代志也の野菜を手に取って食べていただければと思います。


以上、浦和レッズOB西澤代志也さんのインタビューでした。
インタビューでは西澤さんワールドが炸裂していたように思えます。
西澤さんが気持ちを込めて作った野菜を食べることができる日を楽しみにしたいですね♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。