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Hello! Reds Ladies
「佐々木繭選手」

皆さんこんにちは!
浦和レッズ後援会です。

今月のHello! Redsは、
三菱重工浦和レッズレディース佐々木繭選手です。

佐々木選手は2018年に浦和レッズレディースへ加入し、今年で4シーズン目、昨年のなでしこリーグ優勝や新しく開幕したWEリーグでは前半戦全試合フル出場と大変ご活躍されています。
また私たち浦和レッズ後援会事務局はレッズランド内に事務所があるため、平日は佐々木選手と一緒の空間でお仕事をしています。普段、ピッチで逞しく闘っている姿とは違った佐々木選手の一面に迫ってみたいと思います。
佐々木選手のお人柄が詰まったインタビュー、是非ご覧ください!




◆狂ったようにボールを蹴っていた幼少期

―――サッカーを始めたきっかけを教えてください。

私が通っていた小学校では毎年、高学年になると参加ができる地域のサッカー大会が行われていました。
小学5年生の時に初めてその大会に参加しその後、地元のチームに誘われてサッカーを始めました。私には兄と姉がいるのですが、兄姉の影響などは関係なく始めることになりました。それまでは休み時間に学校の校庭で遊びとしてサッカーをするくらいだったので、5年生になり、小さいチームではありましたが正式にチームに入りました。

―――その頃の佐々木選手はどのような少女でしたか?

「サッカーを始めたら、狂ったようにボールを蹴っていたよね」と近所の方によく言われます。サッカー以外ではずっとバレエをやっていて、この先サッカーをやるかバレエをやるかと悩んだ後、「サッカーをやる」と決めました。母からは「やるからには決めた方を真剣にやりなさい」と言われた記憶があります。



―――学生時代はどのように過ごされたのですか?

小学生の頃に所属していた地元の小学校のチームが練習日数の少ないチームだったので、実家から少し遠いチームと、中学生以上の女子のチームに練習参加させていただいて、その後はセレクションを受けメニーナ(現:日テレ・東京ヴェルディメニーナ)に入り引き続き毎日サッカーできるようにしてもらっていました。

その後、ご縁があり宮城県の聖和学園高校へ入学し寮生活を送っていました。1年生の時は10人部屋という大部屋でした。2段ベッドが5個あって、全然パーソナルスペースが無かったので今思うと「大変だったなぁ」と思います。でも当時は中学を卒業後、何も知らずに寮生活を始めたので無知だったからできたんだと思います。今はもうできない…(笑)当時の思い出としては、神社に走りに行くのですが、その時の階段ダッシュは足が痙攣するくらい本当にきつかったです。

高校卒業後は、埼玉県の武蔵丘短期大学へ進学しました。その時に初めて埼玉へ移住したのですが、当時住んでいたところは東松山市だったこともあり、“サッカーの街”を感じることもレッズの試合を観に行ったりすることもありませんでした。

その後ベガルタ仙台レディース(現:マイナビ仙台レディース)へ加入しました。仙台は今でも住みたいと思うくらい住みやすい所でした。温かい人たちばかりで、第二の家族感が強く大好きです。

―――その後浦和へ来てどのような印象を持ちましたか?

マンホールとかにもサッカーボールが描かれていたり、街にもレッズの旗がたくさんあって、「凄いなぁ」と思ったことが最初の印象です。レッズレディースの印象は、レッズへ移籍する前は闘う集団で冷たそうなイメージがあったのですが、いざ加入すると全然そんなことはなく、とても楽しいチームでした。


◆人見知りで、面白くなくて、つまんない人。でも、サッカーの時は負けず嫌い

―――WEリーグ前期を振り返っていかがですか?

スタートは良かったのですが途中から3連敗してしまい、内容的にも失点が多くて全然満足がいっていないです。

―――昨年なでしこリーグで優勝した時のチームとメンバーが大きく変わらないように思いますが、今のチームの雰囲気はいかがですか?

メンバーもあまり変わっていないこともあり、阿吽の呼吸でプレーをできるようになってきていますが、相手も研究してきているので、前期はうまくいかないことが多かった印象です。後期はそこを改善していかなければならないです。

―――いつも試合中に球際の激しいプレーなどでは痛そうなシーンが見られますが、WEリーグ前半戦毎試合フル出場です。どのような気持ちで試合に臨みますか?

私はプレースタイル的に、当たりに行くけどすぐに倒れてしまいます。そこで踏ん張ったりしてしまうと膝などの怪我をしてしまうと思うのですが、上手く力を逃げさせていることもありますが、もっと踏ん張れるように鍛えなければいけないと思っています。このバランスはとても難しいんです。

試合で緊張するのは、一発勝負の時くらいになってきましたね。リーグ戦などの試合前は対戦相手の試合のVTRを必ず観てドリブルが得意な子とか、どっち利きの選手なのかとか、足が速いとか、長所を頭に入れていてとにかく勝つことだけを考えています。

―――そのプレースタイルは幼い頃に習われていたバレエの影響があるのですか?

怪我が少ないことは柔軟性が活きているのではないかと思っています。ストレッチとかは気が付いたらテレビ見ながらでもずっとやっています。ほぐすマッサージとか…。

―――佐々木選手は、いつも練習に来るのが早いですよね?何かこだわりがあるのでしょうか?

こだわりというよりは、怪我をしたくないという気持ちと、スッと練習に入れるように良い準備をしようと思いみんなより早めにグラウンドに行くことになっているという感じです。家からクラブハウスへ来て、整えるストレッチと体幹(トレーニング)をし、走って温めて練習に入るという流れです。ミーティングが練習前にあったりすると、体が固まってしまいます。いつもと全然違うな…って。

―――試合前に柴田選手とランニングしてらっしゃいますが、どんな話をしているのですか?また、普段から一緒にいることが多いのですか?

その時は天気の話とか、風の話とか、「相手はこうくるからこうして行きたいよね」などという話をしています。
ピリピリしている雰囲気よりは“のほほ~ん”とした雰囲気ですかね。プライベートのオフに会ったりすることはあまりないです。でも先日は大宮の試合を一緒に観に行ったりしたりしました(笑)



◆プロ選手とレッズランドでのお仕事を両立する理由

―――レッズランドでのお仕事について教えてください。

主に受付と事務的な仕事をしています。利用者の方が来た時の対応や、ボールに空気を入れたりビブス畳んだり、予約の確認やメールの返信などです。

―――レッズランドでのお仕事をしていて良かったなということはありますか?

レッズのクラブスタッフの皆さんが遅くまでお仕事しているところなどを垣間見ることもでき、他のチームメイトより多く利用者の方と交流ができるので、顔を知ってもらえたりグラウンドなどでも声をかけていただくこともあって、そのときは「レッズランドでお仕事をしていて良かったな」ととても感じています。



―――プロ選手になってお仕事を辞めた選手もいたと思いますが、佐々木選手はなぜ、今もレッズランドでお仕事を続けておられるのでしょうか?

自分から色々な人と関わりに行くタイプではないと自分自身でわかっているので、自分のコミュニティがチームしか無いことは、引退後を考えるとあまり良くないと思いました。レッズランドの仕事をしていると、グラウンドで子どもたちが一生懸命サッカーをやっていたり、サッカー以外のスポーツを通して多くの人が楽しそうな顔をしていて、スポーツ施設の良い所をたくさん見ることができています。他にも、様々な運営の裏側を見ることができているので、そのようなことは無くさないほうがいいと自分で思い、レッズランドで働き続けることを決めました。

コロナ禍でお客様と接することは減ってしまいましたが、スクールに参加される方に、「今度いつ試合あるの~?」とお声を掛けいただく機会もあるので、それだけでも地道にレッズレディースのことを広げていければいいなと思っています。

―――2019年にレッズランドは台風の被害に遭いました。練習場と職場であるレッズランドがそのような状況になってどのような印象をお持ちになられましたか?

浸水した当日の朝、レッズランド横の土手まで行き自分の目でその光景を確かめました。言葉が何も出ませんでした。「これからどうなるんだろう」と不安もたくさんありましたが、クラブスタッフのみなさんが練習場を確保してくださり、複雑な気持ちもありましたが、この水害をきっかけに支えてくれた人たちに恩返しをしようと思い練習に励みました。このことは昨年のなでしこリーグの優勝にも繋がったのだと思っています。

災害当時は、元のレッズランドに復旧するのにどれだけの時間がかかるのだろうと思っていたのですが、たくさんのボランティアの方が来てくれたり、レッズランドのスタッフの方たちが毎日泥だらけになりながら木を一本ずつ動かしてくれて今のレッズランドまで戻りました。私はレッズランドの職員として、その皆さんの行動を知っていたので、本当に感謝しています。

―――水害を乗り越えた練習場であるレッズランドの魅力を教えてください。

レッズランドは誰でも楽しむことができます。天然芝も人工芝もあるサッカー場には、週末多くの人が来られます。その人たちの顔を見るとスポーツっていいんだなといつも思うことができます。先日スクールに参加した方が「日頃仕事ばかりやっているので、体を動かす場所があることは有難いと」仰っていたのを聞いて、レッズランドはそのような大切な場所なのだなと感じました。



◆応援してもらっていると感じることのできる街

―――佐々木選手にとって浦和の街・浦和レッズとは?

私にとっての浦和レッズは刺激をくれて成長させてくれるところです。やっと最近浦和駅が分かるようになり、浦和の街にはお店もたくさんあり、美味しいごはん屋さんも色々あって、何でもあります。街のどこを歩いていても浦和レッズの旗があるので、応援してもらっているのだなと感じることのできるいい街だと思っています。

―――将来の夢はありますか?

先のことはあまり考えないで今に集中するようにしてきました。数年前からセカンドキャリアとか引退後のこととかを考えるようになったのですが、とにかくサッカーをやり切ることが後々に繋がるのではないかな。と今は思っています。

幸い大きな怪我もなく、ここまでやって来ることができているのでまだまだ頑張りたいと思います。

―――WEリーグ後期に向けて意気ごみをお願いします。

個人としては、失点を減らして、点を入れてアシストする。今まで通りしっかり試合に出続けて、ミスを少なく安定したプレーを出していきたいです。

チームとしては、INAC神戸が飛びぬけてしまっているのですが、食いついていき後期は負けなしで戦いたいです。



―――最後に後援会の皆さんにメッセージをお願いいたします。

いつも私たちの試合をサポートしてくださり、ありがとうございます。特にスチュワードの皆さんがいなくては試合は成り立たないと思っているので、皆さんの気持ちも背負ってもっといい試合ができるよう、頑張ります!いつもありがとうございます。

◆◆ Additonal Time ◆◆

―――時間のある時はどんなことをされているのですか?

料理をしたり、サッカーの試合を観たり、ドラマを見たり…。あとは体のケアをしたりしています。得意料理は、、、「豚汁!」豚肉、玉ねぎ、あとはその時に家にあるものを入れますかね。かぼちゃを入れるときもあればサツマイモを入れるときもあったり、えのきとか油揚げとか豆腐とか…。サッカーの試合はJリーグも見るし、自分たちの試合も見ます。

―――普段の印象と試合中の印象が違うのですが、自分の性格をどのように思っていますか?

人見知りで、面白くなくて、つまんない人…(笑)
でも、サッカーの時は負けず嫌いが出てしまうので、悔しいと思ったらがむしゃらにプレーもするし、気持ちを全面に出してやっています。

―――シークレッズレディース企画で、一番几帳面な選手は?という質問に佐々木選手の名前がありましたが自分で几帳面と思うことはありますか?

ねーーー。みんな私のことを知らないだけですよ(笑)結構、こだわるところはこだわっているけど、大雑把なところは大雑把だから…。「遠征のバックとかはきれいだよね」とはよく言われます。圧縮とかはしていなですけど、ユニフォームのセット、ジャージのセットって感じで準備しています。何かごちゃごちゃしているのが嫌い!笑

―――大雑把な一面もあるとのことでしたが、どのような時ですか?

料理とか結構大雑把ですね。量ったりしないし、切り方も何切りとかもめっちゃ適当だし味付けも適当です。ね!結構大雑把でしょ(笑)




以上!浦和レッズディース佐々木繭選手のインタビューでした!普段ピッチでは熱く闘っている印象の佐々木選手ですが、インタビュー時もゆっくりとお話をしてくださりおっとり、しっとりとお上品な印象でした!

セカンドキャリアなどのお話も出ましたが、まだまだこれからも佐々木選手がピッチで躍動する姿を応援したいですね!今後のギャップ有りの佐々木選手の今後のプレーに期待しましょう!最後までお読みいただきありがとうございました。